医療費控除を税理士がわかりやすく解説

個人事業主が自分や家族のために払った医療費は、事業の経費にはできません。ただし、確定申告で「医療費控除」を使えば、課税所得を減らして税負担を軽減できます。すでに所得税を納めすぎている場合は、還付を受けられることもあります。この記事では、経費と医療費控除の違い、控除額の計算式、対象になる費用、申告の手順を、はじめてでも迷わない順番で解説します。読み終えれば、自分の場合にどれくらい税金が軽くなるか、何を用意して申告すればよいかがわかります。

■ この記事の結論(先にお伝えします)

  • ・事業主本人と生計を一にする家族の治療費は、事業の経費にできない(家事費)。事業用口座や事業用現金から支払った場合は、帳簿上「事業主貸」で処理し、必要経費には入れない。ただし従業員の健康診断・予防接種は「福利厚生費」で経費になる。
  • ・医療費控除は確定申告で使う所得控除。個人事業主は事業所得の確定申告書に「医療費控除の明細書」を添えて一緒に提出する。
  • ・控除額=(1年間に払った医療費 − 保険金などの補填額)− 10万円(総所得金額等が200万円未満の人は総所得金額等の5%)。上限200万円。総所得金額等は青色申告特別控除を引いた後の金額。
  • ・税負担が減る額の目安=控除額 ×(所得税率 + 住民税約10%)。事業所得が大きい開業医ほど税率が高く、軽減額も大きくなる。
  • ・まず、その年に自分が負担した家族の分も含めて医療費と補填額を集計し、10万円(または所得の5%)を超えるか確認する。超えていれば申告する。申告済みの年や還付申告なら、原則5年前までさかのぼれる。

医療費控除とは?個人事業主が押さえるポイント

専門書のある書斎

医療費控除は、1年間に払った医療費が一定額を超えたとき、その分を所得から差し引ける所得控除です。課税所得が下がるぶん、所得税と住民税が軽くなります。個人事業主が事業所得の確定申告をするときは、そのなかで医療費控除も一緒に申告します。まず、対象になる人と期間を確認します。

医療費控除の対象になる人

対象になるのは、事業主本人と「生計を一にする」配偶者・親族のために支払った医療費です。生計を一にするとは、同じ財布で生活していることを指し、同居の家族のほか、仕送りしている親や下宿中の子どもも含まれます。青色事業専従者として給与を払っている家族の分も含められます。医療費控除を受けられるのは、その医療費を実際に支払った人です。家族の分を税率の高い人に自由に付け替えられるわけではありません。生計を一にする家族の医療費をまとめて申告したいなら、その人がまとめて負担しておく必要があります。

対象になる期間と、あとから申告する方法

対象は、その年の1月1日から12月31日までに「実際に支払った」医療費です。12月に治療しても支払いが翌年になれば、翌年分に入ります。未払いの分はその年には計上できません。

過去の年で医療費控除を使い忘れていた場合、手続きは状況によって分かれます。

  • すでにその年分の確定申告書を提出している場合:法定申告期限のあとに申告漏れに気づいたときは、原則として法定申告期限(原則、翌年3月15日)から5年以内に「更正の請求」を行う。※確定申告義務のない人が還付申告書を提出済みの場合、更正の請求は原則としてその還付申告書を提出した日から5年以内です。
  • 確定申告の義務がなく、源泉徴収税額や予定納税額の還付を受ける場合:「還付申告」を行う。その年の翌年1月1日から5年間提出できる。
  • 確定申告の義務があったのに申告していなかった場合:「期限後申告」になる。この場合は5年を目安とせず、気づいた時点でできるだけ早く申告する(無申告加算税や延滞税がかかることがある)。

更正の請求や還付申告には5年間の期間がありますが、期限後申告は取扱いが異なるため注意しましょう。大きな治療があった年に医療費控除を使っていなければ、過去分もあわせて確認する価値があります。

個人事業主の医療費は経費にできる?

帳簿と電卓のあるデスク

「診療代も事業の経費になるのでは」と考える人は多いですが、事業主自身の医療費は経費にできません。誰の医療費かで扱いが変わります。

事業主本人・家族の治療費は経費にならない

事業主本人や家族の治療費は、事業のためではなく生活のための支出(家事費)です。事業の必要経費にはできません。事業用の口座やレジのお金で治療費を払ったときは、帳簿では「事業主貸」で処理し、経費には入れません。青色申告決算書の経費にこれらを混ぜると、税務調査で否認されます。

事業の経費にはできませんが、代わりに医療費控除で所得から差し引けます。経費が「事業の利益を計算するときの差し引き」なのに対し、医療費控除は「利益(所得)が出たあとに、個人の事情に応じて所得から差し引く」ものです。差し引く場所が違うだけで、税金を減らす効果はあります。

従業員の健康診断・予防接種は「福利厚生費」で経費になる

スタッフを雇っている場合、従業員全員、または年齢などの合理的な基準で対象を決めた健康診断や予防接種で、通常必要と認められる範囲の費用であれば、福利厚生費として経費にできます。役員や特定の従業員だけを対象にしたり、金額が著しく高額だったりすると、給与として扱われることがあります。従業員がケガをして事業主が治療費を立て替えた場合は「立替金」、見舞いとして渡したお金は社会通念上相当な範囲で「福利厚生費(慶弔費)」として扱います。

医療費控除の計算式と控除額の上限

電卓と計算作業

医療費控除の額は、次の式で決まります。医療費を全額引けるわけではなく、10万円(または所得の5%)の足切りがあります。

計算式

控除額 =(その年に払った医療費の合計 − 保険金などで補填された額)− 10万円

総所得金額等が200万円未満の人は、10万円ではなく「総所得金額等の5%」を引きます。控除額の上限は200万円です。

「総所得金額等」は、事業所得や不動産所得などの各種所得を合計した金額です。青色申告者の事業所得については、青色申告特別控除(青色申告の5つのメリットで解説)を差し引いた後の所得金額が基礎になります。青色申告決算書の「所得金額」はすでに青色申告特別控除を引いた後の金額なので、そこからさらに65万円を差し引くわけではありません。医療費控除の要件は国税庁タックスアンサー No.1120で確認できます。

計算の具体例

前提 医療費 補填 総所得金額等 足切り 控除額
例1 40万円 0円 600万円 10万円 (40万−0)−10万=30万円
例2 20万円 5万円 150万円 総所得の5%=7.5万円 (20万−5万)−7.5万=7.5万円

例2のように総所得金額等が200万円未満なら足切りが10万円より小さくなるため、医療費が10万円以下でも控除を受けられることがあります。

保険金などで補填された分の差し引き方

生命保険の入院給付金、健康保険の高額療養費、出産育児一時金などで戻ってきたお金は、対象の医療費から差し引きます。差し引くのは「その給付の対象になった医療費」からだけで、引ききれない分を他の医療費から引く必要はありません。

たとえば入院費15万円に対して入院給付金が20万円出た場合、差し引くのは入院費15万円までです。余った5万円を通院費など別の医療費から引く必要はありません。年をまたいで補填金が支払われた場合は、見込額で計算し、確定した金額と違えば後で修正します。

医療費控除でいくら戻る?税額への影響

通帳とお金

医療費控除は「所得控除」なので、控除額がそのまま戻るわけではありません。軽くなる税金は、控除額に税率をかけた分です。

税負担が減る額の目安 = 医療費控除額 ×(所得税率 + 住民税率およそ10%)

所得税は所得が大きいほど税率が上がる累進課税で、5%から45%まで段階があります(税率の仕組みは累進課税とは?日本の所得税の仕組みを税理士がやさしく解説で解説)。住民税はおおむね一律10%です。同じ医療費控除30万円でも、軽くなる税金は所得によって変わります。

医療費控除前の課税所得の目安 所得税率 住民税率 合計 控除額30万円のときの軽減額の目安
300万円 10% 10% 20% 約6万円
800万円 23% 10% 33% 約9.9万円
1,200万円 33% 10% 43% 約12.9万円

※目安です。所得税額には、復興特別所得税(原則として基準所得税額の2.1%)が加算されます。また、医療費控除を引く前の課税所得が税率の区切り(695万円・900万円など)に近いと、控除によって税率帯をまたぐため、実際の軽減額はこれより小さくなることがあります。

事業所得が大きい開業医ほど税率が高いため、同じ医療費でも軽減額が大きくなります。所得税は、確定申告での納付額が減るか、予定納税や源泉徴収で納めすぎていた場合は還付されます。住民税は翌年度の税額が下がる形で反映されます。なお、国民健康保険料の所得割は、前年の総所得金額等から所定の基礎控除額(原則43万円)を差し引いた金額をもとに計算し、医療費控除などの所得控除は反映されません。そのため、医療費控除を受けても国民健康保険料は下がりません。

医療費控除の対象になる費用・ならない費用

明るいクリニックの待合室

医療費控除の対象は「治療のために直接必要な費用」です。予防や健康増進、美容のための支出は対象外です。

対象になる主な費用

  • 医師・歯科医師による診療・治療の費用
  • 治療のための医薬品代(処方薬のほか、市販薬でも治療目的なら対象)
  • はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師による施術(治療目的に限る)
  • 妊婦健診・出産費用・助産師の分娩介助料
  • 入院時の部屋代・食事代(病院に支払うもの。ただし本人や家族の希望で個室にした場合の差額ベッド代は対象外)
  • 通院のための交通費(原則は電車・バスなど公共交通機関。付き添いが必要な子どもや高齢者に同行する家族の交通費も対象)
  • レーシックなど治療目的の視力回復手術、治療のための歯列矯正
  • 医師の指示による医療用器具の購入・レンタル代、義手・義足・松葉づえなど

対象にならない主な費用

  • 美容・審美が目的のもの(美容整形、歯のホワイトニングなど)
  • 健康増進・病気予防が目的のもの(人間ドック、一般の健康診断、予防接種、ビタミン剤やサプリメント)
  • 近視・遠視のための一般的な眼鏡・コンタクトレンズの購入費
  • 通院のための自家用車のガソリン代・駐車場代、入院中の身の回り品
  • 医師や看護師への謝礼

判断に迷いやすい費用

人間ドックや健康診断そのものは原則として対象外です。ただし、その結果、重大な疾病が発見され、その診断等に引き続きその疾病の治療を受けた場合は、その健康診断等の費用も医療費控除の対象になります。

眼鏡は原則対象外ですが、斜視や白内障の手術後など、医師の治療を受けるために直接必要と診断された特定の眼鏡は対象になります。

タクシー代は、公共交通機関が使えない時間帯や急を要するとき、体調的に電車・バスでの移動が難しいときなど、やむを得ない事情があれば対象になります。日常的な通院で使うタクシー代は対象外です。対象になるかどうかの個別の例示は、国税庁タックスアンサー No.1122にあります。

医療費控除の申請手順(確定申告)

卓上カレンダーのあるデスク

個人事業主は、事業の確定申告に医療費控除を組み込みます。手順は4つです。

①必要書類をそろえる

  • 医療費控除の明細書(自分で作成し、確定申告書に添付)
  • 医療費の領収書(提出は不要。申告期限から5年間は自宅で保存)
  • 医療費通知(健康保険組合などから届く「医療費のお知らせ」。あれば明細書の記入を一部省略できる)
  • 保険金などで補填された金額がわかる通知書
  • 確定申告書(事業所得の申告書と同じもの)

②家族分をまとめて年間集計する

生計を一にする家族全員分の医療費を、1年分合計します。エクセルや国税庁の「医療費集計フォーム」を使うと、e-Taxにそのまま取り込めます。補填金(高額療養費、入院給付金、出産育児一時金など)は、対象になった医療費から差し引いておきます。

マイナポータルと e-Tax を連携しておくと、その年の医療費通知データ(1月〜12月分)を自動で取得して明細書に反映できます。ドラッグストアで買った市販薬など、医療費通知に載らない支出は自分で追加します。

③「医療費控除の明細書」を作成する

明細書は、医療を受けた人ごと・病院や薬局ごとに、支払った医療費と補填された金額をまとめて記入します。1件ずつ書く必要はなく、同じ病院なら年間合計で1行にできます。通院交通費は「日付・区間・目的・金額」をメモしておき、明細書の医療費に含めて記入します。医療費通知を添付する場合は、通知に載っている分は合計額の転記で済みます。

当事務所は医療機関専門の税理士事務所として、日々の記帳から確定申告まで一貫してサポートしています。事業所得の申告とあわせた医療費控除やセルフメディケーション税制の有利判定など、確定申告に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。

④事業の確定申告書と一緒に提出する

作成した明細書を確定申告書に添付し、青色申告決算書(または収支内訳書)とあわせて提出します。提出は e-Tax・郵送・税務署の窓口のいずれかです。医療費控除とセルフメディケーション税制は同じ年に両方は使えないため、どちらが有利か比べてから提出します。確定申告全体の流れは医師の確定申告(複数勤務・副業の申告)も参考にしてください。

セルフメディケーション税制との違いと選び方

相談の打ち合わせスペース

セルフメディケーション税制は、医療費控除の特例です。病院にあまりかからず、市販薬をよく買う年に向いています。医療費控除とは同じ年に両方使えないため、どちらが得か比べて選びます。

セルフメディケーション税制の内容と要件

対象になるのは、一定のスイッチOTC医薬品など、厚生労働省が定める対象医薬品の購入額です。1年間の購入額のうち、12,000円を超えた部分(上限88,000円)を所得から差し引けます。令和8年度税制改正により、令和9年分以後は対象医薬品の範囲が広がり(消化器官用薬などの一部の非スイッチOTC医薬品を追加)、スイッチOTC医薬品については適用期限が撤廃されます。その他の対象医薬品の適用期限は令和13年12月31日まで5年延長されます。最新の対象品目は厚生労働省のリストで確認できます。

使うには、申告する本人がその年に一定の健康診断・予防接種・がん検診などを行っていることが条件です(家族が受けた健診では要件を満たしません)。取り組みを証明する書類(健診の結果通知や領収書など)は自宅で保存します。対象商品のレシートには、税制対象であることを示すマークや表示があります。国税庁の詳しい説明はセルフメディケーション税制(No.1129)にあります。

医療費控除とどちらが有利か

判断の目安は足切り額の差です。医療費控除の足切りは10万円(所得の少ない人は所得の5%)、セルフメディケーション税制の足切りは12,000円です。

こんな年 有利になりやすい制度
入院・手術・出産などで医療費が10万円を大きく超えた 通常の医療費控除
通院は少ないが、対象の市販薬を年12,000円を超えて買った セルフメディケーション税制を検討
どちらも当てはまる 両方で控除額を計算し、大きい方を選ぶ

セルフメディケーション税制の控除額は最大88,000円までなので、医療費が多い年は通常の医療費控除の方が有利になりやすいです。生計を一にする配偶者その他の親族の分も合算できるため、実際に両方の金額を出して比べます。

医療費控除で気をつけたい注意点

落ち着いた待合室
  • 家族の医療費は、実際に支払った人がまとめて申告する:生計を一にする家族の医療費は、それを実際に負担した人が自分の医療費控除にまとめられます。一般に所得税率が高い人が負担したほうが軽減効果は大きいため、大きな治療や出産を控えているときは、誰がまとめて支払うかを先に決めておくと有利になりやすいです。ただし、医療費控除の足切り額は原則10万円ですが、総所得金額等が200万円未満の場合は「総所得金額等の5%」です。そのため、医療費の支出が少ない年は、所得の低い家族が実際に負担・申告したほうが控除額が生じやすいこともあります。実際の税負担の軽減額は、それぞれの課税所得や税額によって異なります。
  • 青色事業専従者や配偶者控除とは別枠:専従者給与を払っている家族や配偶者控除の対象の配偶者の医療費でも、あなたが負担していれば自分の医療費控除に含められます。医療費控除に「扶養に入っているか」は関係ありません。
  • 高額療養費・医療費助成を受けた分は必ず差し引く:自治体の子ども医療費助成やひとり親医療費助成などで自己負担がゼロになった分は、医療費控除の対象になりません。
  • 領収書は5年間保存する:提出は不要ですが、税務署から求められたら提示します。氏名・療養を受けた年月・支払った医療費の額など一定の記載事項を満たす「医療費通知」を申告に使った場合は、その通知に記載された分の領収書は保存を省略できます(通知に載らない市販薬などの領収書は保存が必要)。
  • 医療費控除で課税所得が下がると、ふるさと納税の上限も下がる:課税所得が減るぶん、ふるさと納税で自己負担2,000円に収まる上限額がわずかに下がります。両方使う年はふるさと納税の上限金額の確認方法で再計算しておくと安心です。
  • 確定申告の経費に医療費を混ぜない:事業主本人・家族の治療費を決算書の経費に入れると否認されます。医療費控除で処理します。

よくある質問(FAQ)

Q. 事業用の口座やレジのお金で医療費を払いました。経費になりますか?

なりません。事業主本人・家族の治療費は生活費(家事費)です。帳簿では「事業主貸」で処理し、確定申告では医療費控除で所得から差し引きます。

Q. クレジットカードで払った医療費は、利用日と引落日のどちらの年ですか?

診療を受けてカードを使った日(利用日)の年で計上します。実際に口座から引き落とされた日ではありません。

Q. 青色事業専従者にしている配偶者の医療費も、私の医療費控除に入れられますか?

あなたが負担していれば入れられます。医療費控除は実際に支払った人が受けるもので、専従者や配偶者控除の対象かどうかは関係ありません。

Q. 開業前に払った医療費は対象になりますか?

対象です。医療費控除は開業しているかどうかと関係なく、その年に払った本人・家族の治療費であれば対象になります。開業した年でも、勤務医だった年でも同じです。

Q. タクシー代は対象になりますか?

原則は電車・バスなど公共交通機関が対象です。深夜や急を要するとき、公共交通機関が使えないときなど、やむを得ない事情があればタクシー代も対象になります。日常的な通院で使うタクシー代は対象外です。

Q. 出産費用は対象になりますか?

妊婦健診、分娩費用、入院中の食事代などは対象です。ただし出産育児一時金など補填されたお金は、その分を差し引きます。

Q. レーシックや歯列矯正は対象になりますか?

レーシック手術は、視力を医学的に回復させる治療として医療費控除の対象になります。歯列矯正は、年齢や矯正の目的などから治療上必要と認められる場合は対象ですが、容姿を美化することが目的の場合は対象外です。

Q. 年末調整で医療費控除はできますか?

できません。医療費控除は年末調整では受けられず、確定申告が必要です。個人事業主が所得税の確定申告をする場合は、その申告の中であわせて医療費控除を申告します。確定申告義務がない場合でも、医療費控除による還付を受けるには還付申告が必要です。

まとめ

  • ・事業主本人・家族の治療費は事業の経費にできない。事業用の口座・現金から払った場合は帳簿で「事業主貸」として処理する。代わりに確定申告の医療費控除で所得から差し引く。
  • ・控除額は(医療費 − 補填額)− 10万円(総所得金額等が200万円未満なら所得の5%)で、上限は200万円である。
  • ・税負担が減る額の目安は、控除額 ×(所得税率 + 住民税率約10%)で、一般に税率の高い人ほど軽減効果も大きくなる。
  • ・生計を一にする家族の医療費は、実際に負担した人がまとめて申告する(誰が負担するかは事前に検討できる)。
  • ・通院が少なく市販薬の支出が多い年は、足切り12,000円のセルフメディケーション税制も検討する。両方は併用できず、有利な方を選ぶ。

大きな治療や出産があった年は、医療費控除を使うかどうかで税額が数万円単位で変わります。申告済みの年や還付申告なら、一定の場合に原則5年間さかのぼって手続きできるので、過去分もあわせて確認しておきましょう。

松村洋佑税理士・行政書士事務所では、医科・歯科クリニックの記帳から確定申告まで一貫してサポートしています。事業所得の申告とあわせた医療費控除、家族分の集計、セルフメディケーション税制との有利判定など、確定申告に関するご相談はお気軽にお問い合わせください。対応エリアは医科・歯科クリニックに強い税理士|対応エリアをご覧ください。

※2026年9月9日時点の情報です。

この記事を書いた人

松村 洋佑(まつむら ようすけ)

税理士(登録番号 145479)/行政書士(登録番号 24083412)

松村洋佑税理士・行政書士事務所 代表。医科・歯科クリニックの税務顧問を専門とし、開業支援から医療法人化・事業承継まで一貫して対応しています。東京都練馬区・西武新宿線武蔵関駅徒歩3分。

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