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個人事業主にとって青色申告は「手間をかける代わりに、しっかり得をする」制度です。最大65万円の青色申告特別控除、家族の労働を適正に経費化できる青色事業専従者給与、そして不調の年の赤字を将来に回せる純損失の繰越・繰戻し——いずれも、資金繰りと納税の安定に直結する強力なメリットです。
一方で、メリットを受けるには、複式簿記での記帳・証憑保存・期限内申告などの要件を外さないことが不可欠。承認申請の期限(原則3/15、開業後は2か月以内)や、e-Tax/電子帳簿保存といった実務のポイントを取りこぼすと、55/65万円控除が受けられないこともあります。
本記事では、青色申告のメリットとデメリットを整理しつつ、税務調査で問われても困らない水準でわかりやすく解説します。
55万円控除の要件:事業所得または事業的規模の不動産所得について複式簿記で記帳し、貸借対照表・損益計算書を添付して期限内に申告。
65万円控除の要件:上記に加え、e-Taxでの提出または電子帳簿保存(優良)のいずれか。
10万円控除:上記要件を満たさない青色でも受けられる控除枠。
※注意:55/65万円控除は期限内申告が必須(還付申告でも同じ)。
生計一の配偶者や親族(15歳未満除く)に相当額の給与を必要経費に算入可。白色の「事業専従者控除」(上限あり)より柔軟。
事前に「青色事業専従者給与に関する届出」が必要(原則その年の3月15日まで。1/16以降の開業・新たに専従者がいる場合は開業・専従開始から2か月以内)。
繰越控除:事業等の赤字(純損失)は、原則翌年以後3年間の所得から控除可(連続して確定申告が必要)。
繰戻し還付:前年も青色なら、その年の赤字を前年分に繰り戻して所得税の還付を受ける選択も可。
例外:特定非常災害等に係る損失は繰越期間5年に延長される取扱い。
複式簿記で作る貸借対照表・損益計算書は、金融機関や補助金申請での説明力向上に有効なことも。根拠となる帳簿・書類は原則7年保存。
記帳・決算書作成の手間:正規の簿記(一般には複式簿記)が基本。仕訳・総勘定元帳・決算書の作成が必要(クラウド会計で負担は軽減可)。
保存義務:帳簿・書類は原則7年、一部5年保存。電子取引は電子保存ルールに注意。
期限厳守:
承認申請…原則3/15まで(1/16以降開業は2か月以内)。
確定申告…期限内でないと55/65万円控除×(10万円控除のみ)。
発生主義での入力が必要:前々年の所得合計が300万円以下なら「現金主義の特例」も選べるが、55/65万円控除は不可(10万円控除のみ)。
記帳体制:複式簿記+総勘定元帳・仕訳帳、証憑保存。貸借対照表・損益計算書を作成。
65万円狙い:e-Tax提出または優良な電子帳簿保存の要件を満たす。
青色申告特別控除があるのでほとんどの方にメリットがありますが下記の方はプラスでメリットがあります。
複式簿記で経営数値を把握したい人。
家族がフル稼働で事業を手伝う(=専従者給与を経費にしたい)人。
立ち上げ期など赤字の可能性があり、将来の黒字と相殺(3年)や繰戻し還付を活用したい人。
Q. 65万円控除を確実に受けるコツは?
A. 複式簿記+貸借対照表・損益計算書を添付し、期限内申告が大前提。さらにe-Tax提出または優良な電子帳簿保存のどちらかを満たすこと。
Q. 家族への給与は全部経費にできますか?
A. 事前届出のうえで、相当と認められる金額が必要経費化されます(白色は上限あり)。届出期限に注意。
Q. 青色の赤字は何年繰り越せますか?
A. 原則3年です(連続申告が必要)。特定非常災害等では5年になる取扱いあり。
Q. 帳簿や領収書はどれくらい保存?
A. 原則7年(一部5年)。電子取引データの保存要件にも注意。
青色申告は、最大65万円控除・専従者給与・赤字の繰越/繰戻しなど強力な節税インフラになります。その代わり、記帳・保存・期限の3点は厳守となりますが積極的な利用をお勧めしています。
医科・歯科のクリニックの場合ほぼ全ての方が利用されるかと思いますが承認申請(3/15 or 開業後2か月以内)と期限内申告をお忘れないようお気をつけください。
弊所では要件を満たす全てのお客様にて青色申告を行っています。要件を満たし、かつ手間がかからないサポートも行っていますのでぜひお気軽にお問い合わせください。
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